「フランス映画の現在をめぐって」チラシが完成

Mois de la critique – édition spécial Yokohama 2024
映画批評月間 横浜 2024 スペシャルエディション
~フランス映画の現在をめぐって

2024年6月29日(土)~7月12日(金)、横浜シネマ・ジャック&ベティにて開催!


コミュニティシネマセンターでは、アンスティチュ・フランセが、フランスの映画媒体、批評家、専門家、プログラマーと協力し、最新のフランス映画を選りすぐり紹介する特集「映画批評月間」の全国巡回を行ってきました。今回は、横浜シネマ・ジャック&ベティと共催で、「映画批評月間 横浜2024スペシャルエディション〜フランス映画の現在をめぐって」を開催します。
この企画では、これまでに「映画批評月間」で上映してきた作品の中から、「子どもたち、若者たち、恋人たち」、「女たちの現在」というふたつのテーマを設定して選んだ13本の作品を上映、また、『落下の解剖学』(2023)でカンヌ国際映画祭グランプリを受賞し、世界の注目を集めるジュスティーヌ・トリエ監督の3つの作品を上映します。チラシを見る

今月末6月29日(土)よりスタート。
週末にはトークイベントも開催(アルノー・デプレシャン監督オンラインで登壇)します。

ぜひ足をお運びください!

映画批評月間 横浜 2024 スペシャルエディション ~フランス映画の現在をめぐって
会期:2024年6月29日(土)~7月12日(金)
会場:横浜シネマ・ジャック&ベティ
https://www.jackandbetty.net/cinema/detail/3512/

上映作品
 - 子どもたち、若者たち、恋人たち
 - 女たちの現在
 - ジュスティーヌ・トリエ監督特集
トークイベント
上映スケジュール


《上映作品》

子どもたち、若者たち、恋人たち
おとなへと近づく中で、自分の内にある欲望、エネルギー、感情をうまく制御できず、不安定で、ときに野蛮で、ときに繊細、とにかく生命力、好奇心、驚きに満ちた若者たち。そんな若者たちの身体、心の動き、囁き、叫び、世界との対峙、出会いを映画はどのように描いてきたでしょう。アサイヤス監督の『冷たい水』(1994)から、デプレシャン監督の『あの頃エッフェル塔の下で』、ギヨーム・ブラック監督の『みんなのヴァカンス』、2021年の『スペアキー』まで、7本の“青春映画”を上映します。

冷たい水 L’eau froide 

1994年/92分/カラー/フランス

監督:オリヴィエ・アサイヤス 出演:ヴィルジニー・ルドワイヤン、シプリアン・フーケ、ラズロ・サボ

1972年の冬のある日。日常のすべてに鬱屈を抱える少女が同級生の少年を連れ、森の奥へ逃げ出す。ジャニス、CCR、アリス・クーパー…、当時のアメリカン・ロックの響きと若者たちの躍動が交錯する。「16ミリの超軽量キャメラを使用し、低予算、短期間で、まるでアンダーグランド映画を撮っているようで、70年代の雰囲気が自ずと甦ってきた」(O・アサイヤス)。

あの頃エッフェル塔の下で Trois souvenirs de ma jeunesse 

2015年/123分/カラー/フランス ※R15+

監督:アルノー・デプレシャン 出演:マチュー・アマルリック、カンタン・ドルメール、ルー・ロワ=ルコリネ、アンドレ・デュソリエ

恋愛映画の金字塔『そして僕は恋をする』から20年の時を経て、人生も半ばを過ぎた主人公が、恋に生きた青春の日々を追憶する。長い海外生活を終えてフランスへ戻ることになった人類学者で外交官のポールは、スパイ疑惑がかけられ空港で止められ、心の奥にしまい込んでいた青春時代の思い出を呼び起こしていく。

シェエラザード Shéhérazade

2018年/112分/カラー/フランス ※R12+

監督:ジャン=ベルナール・マルラン 出演:ディラン・ロベール、ケンザ・フォルタス、イディール・アズグ

ザカリは17歳、刑務所から出所したばかり。母親にも見捨てられ、マルセイユの下町をぶらついていたところ、シェエラザードという名の少女と運命的な出会いをする……。2018年ジャン・ヴィゴ賞受賞作品。「J-B・マルランの初監督作は、マルセイユのある界隈の社会的暴力に鋭く切り込む。そしてその界隈出身の初映画出演の俳優たちに白熱のエピソードを提供する」(マルコス・ウザル、リベラシオン)。

思春期 彼女たちの選択 Adolescentes

2019年/135 分/カラー/フランス/ドキュメンタリー

監督:セバスチャン・リフシッツ

育った環境も、性格も似ていないアナイスとエマ。13 歳から18 歳、思春期を生きる少女2 人の5年間を追ったドキュメンタリー。エマとアナイスの間に少しずつ差異が生まれ、互いの距離が広がっていく。2020年ルイ・デュリュック賞受賞。

みんなのヴァカンス À l’abordage

2020年/100分/カラー/フランス

監督:ギヨーム・ブラック 出演:エリック・ナンチュアング、サリフ・シセ、エドゥアール・シュルピス

女の子、もてない男、水遊び、サイクリング、嫉妬、諍い…。勢いにまかせて夏を謳歌しようとする若者たちの姿を、ギヨーム・ブラック監督が優しい眼差しで描いた青春映画。南フランスのきらびやかな風景の中、不器用で愛おしいヴァカンスが、静かに映し出されていく。

揺れるとき Petite nature

2021年/93分/カラー/フランス

監督:サミュエル・セイス 出演:アリオシャ・ライナート、アントワン・ライナルツ、メリッサ・オレクサ、イジア・イジュラン

10歳のジョニーは東フランスの貧しい地域でシングルマザーの母と二人の兄妹と共に暮らしていた。敏感で賢い彼は様々な物事に関心を持つが、ある日、都会から赴任してきた新任教師に心惹かれてゆく。注目の若手監督サミュエル・セイスの長編2作目。カンヌ国際映画祭〈批評家週間〉出品。

スペアキー Fifi

2021年/108分/カラー/フランス

監督:ジャンヌ・アスラン&ポール・サンティラン 出演:セレスト・ブリュンケル、カンタン・ドルメール

フランス東部の町ナンシー。低家賃住宅で暮らすソフィーは、カオスな家庭環境にウンザリしている。夏のある日、ヴァカンスへ旅立つ旧友の大きな家の鍵を手にして…。人生と自由に目覚めていく少女を瑞々しく演じるS・ブリュンケル、デプレシャンの『あの頃エッフェル塔の下で』で発見されたC・ドルメールを迎えた、詩情とユーモア溢れる作品。

女たちの現在
価値観が多様化し急激に変化する社会の中で、女性の生き方も大きく変化してきました。仕事、恋愛、家族、セクシュアリティ…苦悩し、もがきながらも、生き生きと、ときに楽しみながら自分らしい生き方、愛し方を模索する女性たち。そうした新たな女性像をレア・セドゥ、アナイス・ドゥムースティエ、ヴィルジニー・エフィラ、ノエミ・メルラン、アデル・エグザルコプロスといった新世代の女優たちはどのように体現しているのでしょうか。

アトランティック Atlantique

2019年/106分/カラー/フランス、セネガル、ベルギー

監督:マティ・ディオップ

都市開発が進むセネガルの首都ダカール。建設現場で働くスレイマンと恋仲にある17歳の少女アイダは、裕福な婚約者との結婚を控えていた。職場に耐えかねたスレイマンたちはスペインへと旅立つ。女たちが残された空虚な港町へ、彼らは思いもよらない姿で帰還する。現代セネガル社会の暗部を映しながら意表を突くストーリーと幻想的なビジュアルイメージで唯一無二の世界観を打ち出したマティ・ディオップ初長編作品。2019年カンヌ国際映画祭コンペティショングランプリ。

フランス France

2021年/134分/カラー/フランス=ドイツ=イタリア=ベルギー

監督:ブリュノ・デュモン 出演:レア・セドゥ、バンジャマン・ビオレ、ユリアーネ・ケーラー

スター・ニュースキャスター、フランス。交通事故で移民家族の息子に怪我を負わせたことをきっかけに生き方を変えようとするが…。プロの俳優を使いたがらないブリュノ・デュモンが、主演にレア・セドゥを迎えた。一人の女性の肖像であり、フランスという国、メディアというシステムの肖像でもある。第74回カンヌ国際映画祭コンペ部門出品。

恋するアナイス Les Amours d’Anaïs

2022年/116分/カラー/フランス

監督:シャルリーヌ・ブルジョワ=タケ 出演:アナイス・ドゥムースティエ、ヴァレリア・ブルーニ=テデスキ、ドゥニ・ポダリデス

博士論文も書き終えられず、将来にも恋愛にも見通しが立たない30歳のアナイス。ダニエルという年配の男性とつき合い始めるが、次第にダニエルのパートナー、エミリーに魅かれていく。第74回カンヌ国際映画祭批評家週間で注目を集めたシャルリーヌ・ブルジョワ=タケの長編デビュー作。

そんなの気にしない Rien à foutre

2022年/115分/カラー/フランス=ベルギー

監督:エマニュエル・マール、ジュリー・ルクストル 出演:アデル・エグザルコプロス、アレクサンドル・ペリエ、マーラ・タキン

格安航空の客室乗務員カサンドラは、フライトからフライトへ、パーティからパーティへ、しがらみのない毎日を生きている。しかし、会社のプレッシャーは厳しさを増し、カサンドラは次第に自分を見失っていく。A・エグザルコプロスが素晴らしい演技を見せている。第75回カンヌ国際映画祭批評家週間出品。

パリの記憶 Revoir Paris

2022年/105分/カラー/フランス

監督:アリス・ウィンクール 出演:ヴィルジニー・エフィラ、ブノワ・マジメル、グレゴワール・コラン

ミアはパリのとあるブラッスリー襲撃事件に巻き込まれてしまう。3ヶ月経ってもかつての日常を取り戻せないミアは、襲撃現場を訪れ当時の記憶を辿りはじめる。2016年にパリで起きた同時多発テロ事件を彷彿とさせる。気鋭の若手女性監督A・ウィンクールの長編4作目。カンヌ映画祭監督週間出品。

イノセント L’innocent

2022年/100分/カラー/フランス

監督:ルイ・ガレル 出演:ルイ・ガレル、ロシュディ・ゼム、ノエミ・メルラン、アヌーク・グランベール

60歳の母シルヴィが服役中の男と結婚しようとしていることを知ったアベルはパニックになる。親友のクレマンスの助けを借りて、母を守るために男を追い始める。しかし、新しい継父ミシェルとの出会いはアベルを変えていくことに…。人気俳優であり、監督としても着々と力を付けているルイ・ガレルの監督長編4作目。ペーソス溢れる家族ドラマから、60年代のイタリアン・コメディ、そして犯罪コメディへとジャンルを横断していく快作。

ジュスティーヌ・トリエ監督特集
『落下の解剖学』がカンヌ、セザール賞、アカデミー賞と快進撃を続け、世界中がその才能に注目するジュスティーヌ・トリエ。ギヨーム・ブラック、ヴァンサン・マケーニュ、そして、公私ともにパートナーであるアルチュール・アラリらとともに、2000年以降、それまでとは異なるテーマや方法で映画を撮り始めた新世代の監督です。仕事と私生活の間で苦悩しながらも、自分の道を見出していく女性たちの繊細かつワイルドな魅力を描いてきました。トリエ・ワールドにようこそ!

ソルフェリーノの戦い La bataille de Solférino

2013年/94分/フランス

出演:レティシア・ドッシュ、ヴァンサン・マケーニュ、アルチュール・アラリ

レポーターのレティシアはフランス大統領選挙の決選投票の取材の真最中。そこへ、娘たちとの面会を求める元夫が押しかけ…泣き叫ぶ娘たち、途方に暮れるベビーシッター、通りには歓喜と悲嘆が渦巻く。パリの歩道、バスティーユ広場やフランス社会党の本部がある「ソルフェリーノ通り」などは実際に大統領選挙決選投票の日(2012年5月6日)に撮影された。

ヴィクトリア Vitoria

2016年/97分/フランス 

出演:ヴィルジニー・エフィラ、ヴァンサン・ラコスト、メルヴィル・プポー

弁護士のヴィクトリアは出席した結婚式で、昔の友人ヴァンサンと以前担当した依頼人サムに再会する。ヴィルジニー・エフィラが仕事、家庭、恋愛の間で、自分の生き方を模索する現代的女性を魅力的に演じ、V・ラコストもその魅力を十二分に発揮、さらにM・プポーが油断のならない二枚目を好演。本国でも大ヒットの恋愛コメディ!

落下の解剖学 Anatomie d’une chute

2023年/152分/フランス 

出演:サンドラ・ヒュラー、スワン・アルロー、ミロ・マシャド・グラネール

雪山の山荘で起きた転落事故。死亡した夫と夫殺しの疑惑をかけられた妻、唯一の証人となった視覚障害の息子…。事件の裁判が進む中、仲むつまじいと思われていた家族像とは裏腹の、夫婦の間の秘密や噓が露わになっていく。第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で最高賞のパルムドールを受賞、第96回アカデミー賞でも5部門にノミネートされ、脚本賞を受賞した。


《トークイベント》

6月29日(土)  14:00の回『あの頃エッフェル塔の下で』上映後、アルノー・デプレシャン監督トーク(聞き手:坂本安美

7月6日(土)    15:50の回『ヴィクトリア』上映後、坂本安美[アンスティチュ・フランセ日本映画プログラム主任]による作品解説

7月7日(日)     14:00の回『そんなの気にしない』上映後、トークを予定しています。詳細は追ってお知らせします。


《上映スケジュール》

[会場]

横浜シネマ・ジャック&ベティ
〒231-0056 横浜市中区若葉町3-51 ☎045-243-9800
https://www.jackandbetty.net/

お問い合わせは…

一般社団法人コミュニティシネマセンター
Tel.050-3535-1573 Fax.03-3461-0760
e-mail:film@jc3.jp web:http://www.jc3.jp/