第4回 映画/批評月間 フランス映画の現在 ~ジャン=マルク・ラランヌ(「レザンロキュプティーブル」)によるセレクション好評開催中!
来週末より関西(出町座・京都、大阪シネ・ヌーヴォ)で上映、11月末には横浜シネマ・ジャック&ベティでも。
アンスティチュ・フランセが、フランスの映画媒体、批評家、専門家、プログラマーと協力し、最新のフランス映画を選りすぐり、ご紹介する「映画批評月間」が始まりました。
第4回目となる今回は、フランスの人気カルチャー・マガジン「レザンロキュプティーブル」の編集長ジャン=マルク・ラランヌにセレクションを依頼。同氏が2020年以降の最も刺激的なフランス映画を選りすぐった「Best of 2020-2022」の上映とともに、『去年マリエンバートで』、『ロバと王女』、『夜霧の恋人たち』などで知られる神話的女優デルフィーヌ・セイリグの特集上映も行われています。「フランスで、いや世界でおそらく最も偉大な女優」(マルグリット・デュラス)であり、アーティスト、女性の権利、自由のために果敢に闘ってきたセイリグの代表作が上映されます。
来週末にはラランヌ氏が来日、レクチャーやトークが行われます。
(ユーロスペースでの上映では映画監督の黒沢清、三宅唱、エディター&ライターの月永理絵、豪華ゲストを迎えたトークショーも! ユーロスペースでの上映についてはこちらでご確認ください)
コミュニティシネマセンターでは東京で上映される作品の中から厳選した12作品を全国に巡回、以下の会場での上映が決まっています。
◎ 10月14日[金]~11月3日[木・祝] 出町座(京都)
10月18日 ジャン=マルク・ラランヌ氏レクチャー有
https://demachiza.com/movies/12325
◎ 10月15日[土]~11月2日[水] シネ・ヌーヴォ(大阪)
10月16日 ジャン=マルク・ラランヌ氏レクチャー有
http://www.cinenouveau.com/sakuhin/eigahihyou2022/eigahihyou2022.html
◎ 11月26日[土]~12月9日[金] 横浜シネマ・ジャック&ベティ
◎ 来年1月末には広島市映像文化ライブラリーでの上映も決定しています。
本企画の上映に関心をお持ちの方は、コミュニティシネマセンターまでお問い合わせください。
Tel.050-3535-1573 Fax.03-3461-0760 e-mail:film@jc3.jp
巡回作品
セヴェンヌ山脈のアントワネット Antoinette dans les Cévennes de Caroline Vignal
2020年/98分/カラー/フランス 監督:キャロリーヌ・ヴィニャル
出演:ロール・カラミー、バンジャマン・ラヴェルネ
セザール賞最優秀女優賞受賞
マンディビュル ―2人の男と巨大なハエ Mandibules de Quentin Dupieux
2020年/77分/カラー/フランス 監督:カンタン・デュピュー
出演:ダヴィ・マルセ、グレゴワール・ルディック、 アデル・エグザルコプロス
ヴェネツィア国際映画祭正式出品
恋するアナイス Les Amours d’Anaïs de Charline Bourgeois-Tacquet
2021年/98分/カラー/フランス 監督:シャルリーヌ・ブルジョワ=タケ
出演:アナイス・ドゥムースティエ、ヴァレリア・ブルーニ=テデスキ、ドゥニ・ポダリデス
第74回カンヌ国際映画祭批評家週間出品
フランス France de Bruno Dumont
2021年/134分/カラー/フランス=ドイツ=イタリア=ベルギー 監督:ブリュノ・デュモン
出演:レア・セドゥ、バンジャマン・ビオレ、ユリアーネ・ケーラー
第74回カンヌ国際映画祭コンペ部門出品
そんなの気にしない Rien à foutre d’Emmanuel Marre et Julie Lecoustre
2022年/115分/カラー/フランス=ベルギー 監督:エマニュエル・マール、ジュリー・ルクストル
出演:アデル・エグザルコプロス、アレクサンドル・ペリエ、マーラ・タキン
第75回カンヌ国際映画祭批評家週間出品
愛と激しさをもって Avec amour et acharnement de Claire Denis
2022年/116分/カラー/フランス 監督:クレール・ドゥニ
出演:ジュリエット・ビノッシュ、ヴァンサン・ランドン、グレゴワール・コラン、マティ・ディオップ、ビュル・オジエ
第72回ベルリン映画祭最優秀監督賞受賞
ドン・ジュアン Don Juan de Serge Bozon
2022年/100分/カラー/フランス 監督:セルジュ・ボゾン
出演:ヴィルジニー・エフィラ、タハール・ラヒム
第75回カンヌ国際映画祭プレミア部門出品
アラン・レネのミューズ、60年代の演劇界の女王であり、トリュフォーやドゥミからも賛美されたデルフィーヌ・セイリグ(1932-1990)。その名声の絶頂期であった70年代にフェミニズムの闘いに身を投じ、新しい形式やヴィジョン、テーマを歓迎する女性監督たちと仕事しています。当時25歳のシャンタル・アケルマンと傑作『ジャンヌ・ディエルマン』を生み出し、マルグリット・デュラスからは「フランスで、いやおそらく世界で最も偉大な女優」と評されました。自分のイメージを壊すことを恐れず、変化し続けていった自由な女性デルフィーヌ・セイリグのフィルモグラフィーを辿ります。
去年マリエンバートで L’Année dernière à Marienbad d’Alain Resnais
1961年/94分/モノクロ/フランス=イタリア 監督:アラン・レネ
出演:ジョルジョ・アルベルタッツィ、サッシャ・ピトエフ
第22回ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞受賞し大成功を収めた本作によってセイリグは国際的な名声を得た。
ミュリエル Muriel ou le temps d’un retour d’Alain Resnais
1963年/118分/カラー/フランス 監督:アラン・レネ
出演:ジャン=バティスト・チェーレ、ジャン=ピエール・ケリアン、ニタ・クライン
再びレネと組んだ本作で、セリングは一転、初老の女性に挑んだ。
「『ミュリエル』には10、20の主題がある。レネや(原作者の)ジャン・ケイヨールさえ考えもしなかったテーマさえ存在している。それが偉大な映画の力である」(アンリ・ラングロワ)
インディア・ソング India Song de Marguerite Duras
1974年/120分/カラー/フランス 監督:マルグリット・デュラス
出演:ミシェル・ロンスダール、マチュー・カリエール、クロード・マン
セイリグの女優としての才能を高く評価し、映画、舞台で共に仕事をし続けたデュラスは、「彼女の自由を妨げるものは、他者に加えられた不正だけだ」と述べ、その人間性にも敬意を払っていた。
《ジャンヌ・ディエルマン》をめぐって Autour de « Jeanne Dielman » de Sami Frey
1975年/78分/モノクロ/フランス *ビデオ映像 監督:サミー・フレー
出演:シャンタル・アケルマン
『ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン』の撮影中に、セイリグの恋人であったサミー・フレーが撮影し、シャンタル・アケルマンが編集したドキュメンタリー。
デルフィーヌとキャロル Delphine et Carole de Callisto McNulty
2019年/68分/モノクロ/フランス=スイス 監督:カリスト・マクナルティー
出演:キャロル・ロッソプロス、 マルグリット・デュラス、シモーヌ・ド・ボーヴォワール、シャンタル・アケルマン)
セイリグと、フランスで2台目(1台目を手に入れたのはジャン=リュック・ゴダール)のビデオカメラを手に入れ、やがてフランスにおけるビデオアートのパイオニア的存在となったキャロル・ロッソプロスの出会いを描く。