この冬、全国各地に
新しい「コミュニティシネマ」が続々開館します!


10月31日の川崎市アートセンター「アルテリオ映像館」開館に続き、12月には新たに2つの映画館が新潟県・十日町市と佐賀県佐賀市に開館。2004年に開館した「シネマテークたかさき」は、スクリーンをひとつ増やし、2スクリーンの映画館としてリニューアル・オープンします。
今年、日本の映画館のスクリーン数は3000スクリーンを越えました。10年前には1800スクリーンほどだったスクリーン数がこんなに増えたのは、シネマコンプレックスの増加によるもので、いまや、全スクリーン数に対するシネコンの割合は70%を越えています。一方で、街中の既存の映画館は少しずつ姿を消しています。地域の映画館は、シネコンだけになってしまいそうな勢いです。
そんな勢いに抗するように、二つの新しい映画館が開館します。いずれも、街なかから失われてしまった映画館を、もう一度取り戻そうという人たちによって開館される映画館です。
きょうは、この秋、冬に開館する下記の4つの「コミュニティシネマ」をご紹介します。

その1:
全国初の公営コミュニティシネマ、川崎市アートセンター「アルテリオ映像館」開館!
その2:
新潟県・十日町市に映画館が復活!「十日町シネマパラダイス」12月15日開館
その3:
佐賀市でも街なかに映画館が復活!「Theater CIEMA -シアターシエマ-」がオープン
その4:
シネマテークたかさき 2スクリーン目をオープン!


街なかの、その町の映画文化が息づいてきた場所で、その場所と映画を愛する人の手作りのプログラミングで、いろいろな映画をみたい、みせたいという人たちが確かに存在しています。

これからの「コミュニティシネマ」の活動にどうぞご期待ください!

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■その1:
全国初の公営コミュニティシネマ、川崎市アートセンター「アルテリオ映像館」開館!

10月31日、川崎市北部の小田急線「新百合ヶ丘駅」のそばに、新しい文化施設「川崎市アートセンター」がオープンしました。同センターは、195席の劇場[アルテリオ小劇場]」と113席の映像ホール[アルテリオ映像館]からなるコンパクトな文化施設ですが、映画関係者として注目したいのは、何といっても「アルテリオ映像館」です。
「アルテリオ映像館」は、新百合ヶ丘で10数年間にわたって「KAWASAKIしんゆり映画祭」を開催してきた実行委員会の人たち、これを支えてきた日本映画学校の人たち、そこに集った様々な人たちが、永年にわたって設立を念願してきた待望の“コミュニティシネマ”なのです。

アルテリオ映像館のここに注目!
●公営の常設映画館・・・
年間250日は連日1日4回上映。川崎市には、川崎駅近くにチネチッタやTOHOシネマズ、新百合ヶ丘駅にもワーナーマイカルのシネコンがあり、多くの観客を動員していますが、ミニシアターは1館もありませんでした。「アルテリオ映像館」が、多様な映画を上映する川崎唯一の公営のミニシアターとなります。
●KAWASAKIしんゆり映画祭の主要スタッフによる運営・・・川崎市アートセンターは、川崎市から指定管理者として選定された、川崎市文化財団グループ(財団法人川崎市文化財団とNPO法人アートネットワーク・ジャパンによる共同事業体)によって運営されますが、映像館のディレクターは、「KAWASAKIしんゆり映画祭」の実行委員長野々川千恵子さん。このほか映像館の二人の常駐スタッフにも、映画祭を支えてきたスタッフが採用されています。映像館は、この三人が中心となって、映画の専門家アドヴァイザーの助言を得ながら企画運営されます。
●川崎市市民ミュージアムとの連携・・・川崎市には、映画・映像作品の収集と上映を専門的に行う美術館「川崎市市民ミュージアム」があります。今後、常設映画館であるアルテリオ映像館と川崎市市民ミュージアムが共働することで、どんなことが可能になるのか、川崎市の映画・映像環境がより充実したものとなることが期待されます。
●日本映画学校、昭和音楽大学が全面的にバックアップ・・・川崎市アートセンターができた小田急線「新百合ヶ丘駅」周辺には、日本映画学校があります。多くの映画人を輩出してきた日本映画学校は、「KAWASAKIしんゆり映画祭」の強力な応援団であり、様々な協力をしてきました。アルテリオ映像館の設立についても、この日本映画学校や「新百合ヶ丘駅」に新校舎と音楽ホールをつくった昭和音楽大学が、全面的にバックアップしてきました。今後も、両校を軸とした地域の関連団体との連携によって多様な企画が行われるでしょう。

11月15日、アルテリオ映像館での上映が始まりました。12月16日まで〈オープニングイベント第1弾〉「KAWASAKIしんゆり映画祭プレゼンツ」として「今村昌平監督&世界をみつめる監督たち」「佐藤忠男が選ぶアジアの秀作」「懐かしの「しんゆり名画座」」など、様々な特集上映が行われています。
詳細は、同センターHP http://kawasaki-ac.jp/cinema/index.html をご参照ください。
お問い合わせは、TEL:044-955-0107 FAX:044-953-7685

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■その2:
新潟県・十日町市に映画館が復活!「十日町シネマパラダイス」12月15日開館

3年前の中越地震によって、唯一の映画館が閉館してしまった新潟県・十日町市に新しい映画館「十日町シネマパラダイス」がオープンします。もう一度この町で、日常的に映画をみることができるようにしたい、という地元の着物加工会社の副社長岡元真弓さんの思いが結実して「十日町シネマパラダイス」という映画館ができました。趣意書の中で、岡元さんは、「・・・人口減少や高齢化が進むこの地域に、年代を超えた人々が集える場所として必要な施設としたい。市民をネットワーク化して映画ファンを増やすことや、映画館を人と人を繋ぐ「コミュニティシネマ」と位置づけ、この町に賑わいを取り戻したい。」、と書いています。

「十日町シネマパラダイス」概要
ミニシアター (スクリーン数1・座席数計126席 )
住所: 新潟県十日町市四ッ宮卯 381-1
喫茶店: ロビーを喫茶スペースとして営業。休館日には劇場・ロビーを貸し出し、多目的に利用可能

「十日町シネマパラダイス」から発信するもの
1.映画を上映する

 (1) 娯楽・芸術・文化・教育・歴史・地域・社会
 (2) 楽しむ・体験する・共感する・学ぶ・他文化を知る
 (3) 人生の生き方を知る・集う
2.コミュニティシネマとして
 (1) ただ単に映画を上映するだけでなく、人と人、人と地域、地域と地域を結びつけることができる。
 (2) 上映作品を、映画館主と市民が選んで上映することができる。
 (3) 全国のミニシアターのネットワークがあり情報交換の場となる。
 (4) 十日町の映画館から全国に発信できる。
3.人が集まる場所とする
 (1) 車椅子の人も鑑賞できる全館バリアフリー。専用トイレも設置。
 (2) 喫茶店をロビー内に作ることによって、薫り高いおいしいコーヒーなどを提供できる。
 (3) 映画を見る前の待ち合わせや、見終わった後の語らいなどに喫茶店としてのみの使用もできる。
 (4) 休館日を利用し貸しホールとできる。
 (5) 劇場を多目的にも利用可能。(例えば講演会や落語などにも)
 (6) ロビー部分はパーティや音楽会としての利用も可能である。(ピアノ設置予定)
4.イベント企画などで話題を提供する
 (1) イベントにちなんだ様々な企画を行い集客に繋げる。(監督や出演者の舞台挨拶、トークショー等)
 (2) 地域に関係の深い映画を選んで上映する。フィルムコミッション作品の上映も。
 (3) 大地の芸術祭に協賛し「大地の芸術祭協賛映画祭」などを開催したい。
 (4) 無名の新人作家の作品を上映し登竜門とする。数年後には映画祭を開催したい。
5.町の活性化に貢献できる
 (1) 中心地の遊休施設を活用することによって町に賑わいを取り戻せる。
 (2) 徒歩でも来場できる立地である上、更に駐車場も48台分確保している。
お問い合わせは、TEL:025-752-7700(着物ブレイン内 松田)まで。

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■その3:
佐賀市でも街なかに映画館が復活!
「Theater CIEMA -シアターシエマ-」 12月15日オープン

佐賀市では、去年9月に映画館「セントラルプラザ」が閉館し、街なかから映画館が消えてしまいました。この状況を憂える佐賀の自主上映団体や映画祭関係者らの意向をうけて、今年3月に「佐賀県フィルムコミッション」と、市民有志による「街なかキネマさが」、それにコミュニティシネマ支援センターが、シンポジウム+講座「まちづくりと映画を考えよう」を開催、全国各地の事例を聞き、コミュニティシネマとして映画館を再開する可能性を考えました。このシンポジウムの講師であった大分シネマ5支配人の田井肇氏らの協力を得、さらに福岡の芳賀英行さんという人材を得て、ついに、「シアターシエマ」がオープンします。

「シアターシエマ」概要
住所:〒840-0831 佐賀県佐賀市松原2-14-16 セントラルプラザ3F
TEL&FAX:0952-27-5116
HP: http://ciema.info/

Theater01,02
こどもから大人まで楽しめるチェコアニメやフィルム史に残る名作など、CIEMAが独自の視点でセレクトした名作映画を上映。リクエストが多い作品も上映予定 。
Book
映画に関する本から絵本にいたるまで、さまざまなジャンルの本をCIEMAセレクトで販売。
Cafe´
カフェとしてはもちろん、なんとなく寄り道したら、新しい発見があった!そんな場所に。街の人たちと一緒に野菜販売したり、絵本の読み聞かせイベントをしたり、ワークショップのスペースとして、いつもワクワクする場所にしたい。

運営・企画・プロデュース:69'ners FILM
パートナー:ハッピースタイル  協力:街なかキネマさが

オープニングプレイベント
12月12日(水) おやこでみるチェコアニメ上映会 絵本読み聞かせ+チェコアニメ上映
  入場無料 お子様へプレゼント付
12月13日(木) 街中キネマさがが送る名作映画上映会 『ニュー・シネマ・パラダイス』上映
12月14日(金) 山田広野の活弁天国in佐賀 『バサラ人間』上映+活弁+軽食+音楽

12/15(土)からの上映作品
【ボルベール(帰郷)】 2006年/スペイン映画 監督:ペドロ・アルモドバル
【殯の森】 2007年/日本映画 監督:河瀬直美
【街のあかり】 2006年/フィンランド映画 製作・監督・脚本・編集:アキ・カウリスマキ
【題名のない子守唄】 2006年/イタリア映画 監督:ジュゼッペ・トルナトーレ

オープン時までの問い合わせ先 (有)69'nersFILM シックスナイナーズフィルム
TEL&FAX:092-752-5333 Mobile:090.1368.1094(担当:シゲマツ) Mail:office@ciema.info


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■その4:
シネマテークたかさき 2スクリーン目をオープン!

2004年にコミュニティシネマが運営する初の映画館として開館した群馬県高崎市の「シネマテークたかさき」は、12月15日に2スクリーンの映画館としてリニューアル・オープンします。「コミュニティシネマたかさき」では、当初から、2スクリーンでの運営を目指していましたが、予算面での折り合いがつかず、1スクリーンの映画館としてオープンしました。開館から2年を経て、市民の映画館に対する認知も高まり、いまでは年間4万人を越える来場者を迎えるようになりました。
「上映したい作品が1スクリーンでは上映しきれない」「将来的な運営基盤が確保できない」という問題もあり、また、諸々の条件も整ったことから、2スクリーン目をオープンすることとなりました。嬉しいニュースです。

「シネマテークたかさき シアター2」概要
住所:群馬県高崎市あら町60-1 シネマテークたかさき 2F
座席数:64席(床面積 103u)
映写設備:35mmフィルム映写機 DLPプロジェクター

オープニング上映作品
『ONCE ダブリンの街角で』 2007/ジョン・カーニー監督
『インランド・エンパイヤ』 2006/デヴィッド・リンチ監督

お問い合わせ:NPO法人たかさきコミュニティシネマ
TEL:027-325-1744  FAX:027-326-1311 
HP: http://www5.wind.ne.jp/tcc/ MAIL:cinematheque@mail.wind.ne.jp


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コミュニティシネマ支援センター事務局
Tel 03-5562-9574/-4422 Fax 03-5562-4423 (エース・ジャパン内)
ホームページ: http://www.jc3.jp/