全国初の公営コミュニティシネマ、
川崎市アートセンター「アルテリオ映像館」が開館!


10月31日、川崎市北部の小田急線「新百合ヶ丘駅」のそばに、新しい文化施設「川崎市アートセンター」がオープンしました。
同センターは、195席の劇場[アルテリオ小劇場]」と113席の映像ホール[アルテリオ映像館]からなるコンパクトな文化施設ですが、映画関係者として注目したいのは、何といっても「アルテリオ映像館」です。
「アルテリオ映像館」は、新百合ヶ丘で10数年間にわたって「KAWASAKIしんゆり映画祭」を開催してきた実行委員会の人たち、これを支えてきた日本映画学校の人たち、そこに集った様々な人たちが、永年にわたって設立を念願してきた待望の“コミュニティシネマ”なのです。

アルテリオ映像館のここに注目!
●公営の常設映画館・・・年間250日は連日1日4回上映。川崎市には、川崎駅近くにチネチッタやTOHOシネマズ、新百合ヶ丘駅にもワーナーマイカルのシネコンがあり、多くの観客を動員していますが、ミニシアターは1館もありませんでした。「アルテリオ映像館」が、多様な映画を上映する川崎唯一の公営のミニシアターとなります。

●KAWASAKIしんゆり映画祭の主要スタッフによる運営・・・川崎市アートセンターは、川崎市から指定管理者として選定された、川崎市文化財団グループ(財団法人川崎市文化財団とNPO法人アートネットワーク・ジャパンによる共同事業体)によって運営されますが、映像館のディレクターは、「KAWASAKIしんゆり映画祭」の実行委員長野々川千恵子さん。このほか映像館の二人の常駐スタッフにも、映画祭を支えてきたスタッフが採用されています。映像館は、この三人が中心となって、映画の専門家アドヴァイザーの助言を得ながら企画運営されます。

●川崎市市民ミュージアムとの連携・・・川崎市には、映画・映像作品の収集と上映を専門的に行う美術館「川崎市市民ミュージアム」があります。今後、常設映画館であるアルテリオ映像館と川崎市市民ミュージアムが共働することで、どんなことが可能になるのか、川崎市の映画・映像環境がより充実したものとなることが期待されます。

●日本映画学校、昭和音楽大学が全面的にバックアップ・・・川崎市アートセンターができた小田急線「新百合ヶ丘駅」周辺には、日本映画学校があります。多くの映画人を輩出してきた日本映画学校は、「KAWASAKIしんゆり映画祭」の強力な応援団であり、様々な協力をしてきました。アルテリオ映像館の設立についても、この日本映画学校や「新百合ヶ丘駅」に新校舎と音楽ホールをつくった昭和音楽大学が、全面的にバックアップしてきました。今後も、両校を軸とした地域の関連団体との連携によって多様な企画が行われるでしょう。


11月15日、アルテリオ映像館での上映が始まりました。12月16日まで〈オープニングイベント第1弾〉「KAWASAKIしんゆり映画祭プレゼンツ」として「今村昌平監督&世界をみつめる監督たち」「佐藤忠男が選ぶアジアの秀作」「懐かしの「しんゆり名画座」」など、様々な特集上映が行われています。ジャ・ジャンクー監督などゲストも多数来場する予定します。
詳細は、同センターHP http://kawasaki-ac.jp/cinema/index.html をご参照ください。

この後も、佐賀、新潟など、全国各地でコミュニティシネマのオープンが続きます!
12月には、佐賀市と新潟県・十日町市で新しい映画館がオープンします。
いずれも、街なかから失われてしまった映画館を、もう一度取り戻そうという人たちによって開館される映画館です。
また、2005年に開館した「シネマテークたかさき」は、12月中旬に新しいスクリーンをオープン、2スクリーンの映画館としてリニューアル・オープンします。


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