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コミュニティシネマ支援センター企画第二弾 没後50年特別企画【溝口健二の映画】全国巡回
コミュニティシネマ支援センターでは、 溝口健二監督の珠玉の名作20作品を全国に巡回、 上映団体を募集します!
2006年8月24日は、 日本映画が誇る巨匠溝口健二監督の50回目の命日です。
没後50年となる今年、東京では、内外の専門家、映画監督らによる 「没後50年溝口健二国際シンポジウム」が開催されます。 その後、 恵比寿ガーデンシネマ、東京国立近代美術館フィルムセンターで大規模な回顧上映が行われ、 角川ヘラルド(大映)、松竹、東宝など各社が溝口監督作品のDVDを発売します。
コミュニティシネマ支援センターでも、 昨年の「成瀬巳喜男監督レトロスペクティヴ」に続き、 溝口健二監督の代表作20本を集めて全国に巡回します。
1923年の『愛に甦る日』で監督デビューして以来、1956年の『赤線地帯』まで、 30数年間で約90本の作品を撮った溝口健二は、『滝の白糸』(33)、『浪華悲歌(36)、 『祇園の姉妹』(36)、『西鶴一代女』(52)、『雨月物語』(53)、『山椒大夫』(54)など、 数多くの映画史上に残る名作をつくっています。
海外における溝口作品に対する評価は非常に高く、 1952年には『西鶴一代女』がヴェネチア映画祭で国際賞を受賞、 53年には『雨月物語』、54年には『山椒大夫』が同映画祭銀獅子賞を連続受賞し、 ヨーロッパにおいては、ミゾグチの名前はクロサワと並ぶ日本映画の代名詞となりました。 特に、イタリア、フランスでの“ミゾグチ”に対する関心は高く、溝口没後、 1957年のヴェネチア映画祭はいちはやく「溝口健二レトロスペクティヴ」を開催、 翌年には「カイエ・デュ・シネマ」誌が溝口健二特集を組み、ゴダール、リヴェットら、 ヌーヴェルヴァーグの監督たちがこぞって原稿を寄せました。 パゾリーニ、ベルトルッチ、アンゲロプロス、ビクトール・エリセなど、 溝口の作品を愛し、影響を受けたという映画人は少なくありません。 近年も溝口に対する関心は衰えることなく、1980年のヴェネチア映画祭で行われた 回顧上映では、現存するほとんどの溝口作品が上映され、大きな反響をよびました。 また、1996年には大規模な回顧上映が北米を巡回しています。
国内においても、1992年に大映時代の作品の回顧上映がニュープリントで行われるなど、 溝口作品の上映の機会はありましたが、小津、成瀬といった巨匠の生誕100年が 大きな注目を集め大々的な回顧上映が行われたのに比較すると、 溝口の生誕100年の1998年はささやかな話題にしかならず、 本格的な回顧上映は行われませんでした。
没後50年の今年、角川ヘラルド(大映)、松竹、東宝といった溝口作品をもつ映画会社は こぞってDVDを発売します。 さらに、『お遊さま』、『雨月物語』『山椒大夫』『近松物語』『楊貴妃』『新・平家物語』『赤線地帯』といった晩年の大映時代の代表作9本をもつ角川ヘラルド映画では、 全9作品のニュープリントを作成、全国順次公開します。
コミュニティシネマ支援センターでは、大映時代の9作品に加えて、 現存する34本の溝口作品の中から、サイレント期の代表作『滝の白糸』や、 戦前の傑作『浪華悲歌』『祇園の姉妹』『残菊物語』、 上映の機会が少ない終戦直後の『歌麿をめぐる五人の女』『夜の女たち』といった 珠玉の20作品を厳選し、全国に巡回します。
依田義賢(脚本)、宮川一夫(撮影)、水谷浩(美術)、早坂文雄(音楽)ら、 卓越したスタッフとの共同作業によってつくりあげられた溝口の映像世界は いまもなお見るものに大きな感動を与えます。 溝口が、田中絹代をはじめ、山田五十鈴、入江たか子、香川京子、京マチ子、木暮実千代、 若尾文子といった女優陣とともにつくりあげた「女」たちの姿も見逃すことはできません。
皆様、この記念の年に、是非とも、溝口作品の上映をご検討ください。
巡回作品 1. 『滝の白糸』(1933/サイレント)※ニュープリント 2. 『マリヤのお雪』(1935/松竹/16ミリ) 3. 『祇園の姉妹』(1936/松竹) 4. 『浪花悲歌』(1936/松竹) 5. 『残菊物語』(1939/松竹) 6. 『元禄忠臣蔵・前編』(1941/松竹) 7. 『元禄忠臣蔵・後編』(1942/松竹) 8. 『歌麿をめぐる五人の女』(1946/松竹)※ニュープリント 9. 『夜の女たち』(1948/松竹)※ニュープリント 10. 『雪夫人絵図』(1950/新東宝ほか/国際放映)※ニュープリント 11. 『お遊さま』(1951/大映/角川)※ニュープリント 12. 『西鶴一代女』(1952/東宝)※ニュープリント 13. 『雨月物語』(1953/大映/角川)※ニュープリント 14. 『祇園囃子』(1953/大映/角川)※ニュープリント 15. 『山椒大夫』(1954/大映/角川)※ニュープリント 16. 『近松物語』(1954/大映/角川)※ニュープリント 17. 『噂の女』(1954/大映/角川)※ニュープリント 18. 『楊貴妃』(1955/大映/角川)※ニュープリント 19. 『新・平家物語』(1955/大映/角川)※ニュープリント 20. 『赤線地帯』(1956/大映/角川)※ニュープリント 以上20作品
巡回の手順 ● 上映者は20作品の中から自由に作品を選ぶことができます。 ● 上映希望作品、上映希望日程をお知らせいただき、調整の上、確定します。 ● 上映料は、地域の状況、主催団体の状況、上映の形態などによって確定します。 (45,000円〜100,000円程度を予定) ● 20作品以外の作品を上映したい場合はコミュニティシネマ支援センターへご相談ください。
詳細については下記にお問い合わせください。 コミュニティシネマ支援センター事務局 〒107-0052 東京都港区赤坂1-11-28 赤坂1丁目森ビル4Fエース・ジャパン内 Tel 03-5562-4422 Fax 03-5562-4423
参考:溝口健二監督没後50年に関する企画 ● 国際シンポジウム 8月24日[木] 有楽町朝日ホール
● 上映 □ 映画館(角川大映配給) 9月〜 東京 恵比寿ガーデンシネマ その後、全国で公開予定 札幌/ 大阪/ 京都/ 名古屋/ 福岡/ 仙台/ 岡山/ 広島/ 熊本/ □ コミュニティシネマ支援センターで巡回 □ 11月 東京国立近代美術館フィルムセンターで現存する全作品を上映
● DVD 角川(大映) 10月27日発売予定 BOX1 「お遊さま」「雨月物語」「祇園囃子」 「山椒大夫」 「噂の女」 12月22日発売予定 BOXU 「近松物語」「楊貴妃」「新・平家物語」「赤線地帯」 東宝 「西鶴一代女」「武蔵野夫人」 松竹 「浪華悲歌」「祇園の姉妹」「残菊物語」「元禄忠臣蔵前編・後編」ほか 紀伊国屋書店 「雪夫人絵図」
● 放映 7月よりNHK衛星 「没後50年特別企画 いま振り返る世界的映画監督溝口健二特集」
● その他 東京国立近代美術館フィルムセンター 「生誕100年記念美術監督水谷浩の仕事」展(9月24日まで)
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